闘魂注入。
娘の習い事のミニバスの強化練習会が、栃木で行われ、観戦を。
娘のけがからの復帰試合。
思うように動けず悪戦苦闘。
娘にとっては大きな試練の時間。
それでも逃げずにもがき苦しむ。
シュートをうち、外してしまう。ドリブルをして焦ってパス。
いつもなら…。なんて親心。
それ以上に娘は、心の中で格闘していたんだと思います。それでもうまくいかない。
終わりに近付いて、なんとか数プレイは、娘らしさがでて来たように思いました。
かける言葉も難しい。親は見守ることが仕事。
一番は、監督やコーチ、そして仲間たちで取り戻すものなんだろうなぁ。
信頼するチーム。
見ていると仲間っていいなぁ…。っなんて場面が多く、このチームで、みんなに囲まれて時間を共にできることが、娘にとって、とてつもない貴重な時間なんだろうなぁ。
なんて、観戦しながら、振り返りながら強く思える瞬間の連続でした。
子供たちは片道1時間30分を往復、2日間。
監督と、自分だけ今回は、会食会に参加するために宿泊。
爆弾家(ボンバイエ)での会食会に参加させていただきました。

参加者は、参加されたチームの監督や、コーチ。そして、主催チームの保護者の方。
そんな貴重な場所に、昨年に続いて今年も参加させていただきました。
昨年も参加させていただいたのですが、今年も変わらぬ雰囲気。
お酒が入っても、入らなくても変わらず話題はバスケ。子供との接する仕方、どんな選手がいる。こんなことを大切にしている…などなど。
話題の軸は変わらず、時間が進むにつれて濃く濃厚になっていく。
指導される方々の真剣さと、想いの強さに触れられる時間なんです。
娘がお世話になっているチームは25周年。監督が率いた創設したチーム。
飲みの場だけでなく、移動の時間、車の時間も貴重なお話を。
その一瞬一瞬に、凄さが…。
全くぶれない。
そして
貪欲に学ぶ姿
子供たちとの接する姿や、想い。
子供たちだけでなく、保護者や、他チームの方々に接する姿も。
通して全くぶれない。
やばすぎます。
先生を定年されて6年。
あっという間、時間が早いんだよ。
もう年だから...、後五年。
なんて仰っておりましたが、全く衰えを感じないパワー漲る方なんです。
そんな方のお話は、毎回痺れる。
根底にある想いは25年、いやもっと変わっていないんだと思います。
日々手を抜かず、一瞬一瞬を大切にされていて、バスケノート、日記は習慣で、何十年と続いているそうです。
そこには、選手たちの性格や、どんなプレイをしたかだけでなく、この子とこの子が仲良し。こんなときにここにいるなど、多岐に渡る。
それは、チームとして強くすることはもちろんなのですが、人間形成、心を創る。といったとてつもなく深い愛があるように思います。
昔は厳しく、今よりももっと荒々しかったと少しだけ教えていただいたことはあるのですが、根底にある愛情は変わらないんだろうなぁ。なんて勝手に解釈しています。
そんな方々との濃厚すぎる2日間は、とてつもなく多くの学びと、刺激に溢れた時間でした。

なんの共通項もないような、仕事に、私生活に繋がらないもののように感じることも、自分にとっては、同じに見える。
学ぶべき、目指すべきものは同じ。
分野、職種は違うけれど同じ熱量を感じます。
人間力
奥深さ
愛情
想いの強さ
志
そんな、魅力に溢れた方は、向き合う姿勢が違うんです。
先日、学ばせていただいた『田村工業道』
尊敬し、憧れ、目標である群馬の工務店『田村工業㈱』さんのセミナーで学ばせていただきました。
すまいをかたちにする。その上ですまいてさまとコミュニケーションをとり、豊かさを創りあげられる工務店さんなんです。
その方も同じように、志を持ち、理念をもち、工務店業に真摯に向き合い日々を積み重ねているかた。
ぶれることなく、直向きに進む。

工務店の仕事には、すまいをつくる知識や、技術、経験などが必要不可欠でとてつもなく大切なこと。
そこは徹底的に研究や、調査をすることはもちろん。技術を磨くことは当たり前のこと。
日々の努力や、積み重ねでとても大切なことなんだと思います。
しかし、もっと奥の奥の人間力や、志は、想いがあることで、その積み重ねるものの立ち返る場所、軸のようなものに。
軸があるから、多くを学び、多くを判断し、多くを選択できる。
軸がないと、表面上の良し悪しや、見た目で判断してしまう。
一貫性のない選択、ものの集まりになり、成り立っているように見えて、ちぐはぐなものになりかねない。
優劣をつけるものではなく、絶対に必要なものが、『志』『人間力』『軸』なんだと思います。
なぜか引き付けられる方。
こんな方に出会えてよかった。
絶対的な信頼感。
任せたい。
など、多くを感じさせてもらえる。
そんな方になりたいと日々思っております。
そんな方との時間で『闘魂注入』していただきました。

ひとつの現場が、なんとか大工工事が一区切り、あとは信頼する協力業者さんへのバトンを繋ぎ、仕上げていただくのみになりました。
その現場は、化粧造りといって、地元で多く見られる芯壁のすまい。その白壁が崩れて直して欲しいという相談から始まった現場です。
そこで、現場を見させていただき、お話していて、今しか出来ない、これをしてほしい。すまいてさまの命を守りたい一心でご提案。
『耐震補強』
をさせて頂いた現場なんです。手探りでと、信頼するシミュレーションソフト「wallstat」で検討し、室内は、できるだけ手をつけず、天井裏と、床下で補強する計画をたて、ご納得していただき工事をしてきました。

シミュレーションでは、何百回と、すまいの骨組みに地震の波を加えて、結果を見る。
どこから倒壊が始まったのか、
どこに力が集中しているのか、
どこの壁が壊れるのか
など観察と、補強を繰り返し、自分の答えを出す。
ガチガチにかためて、補強すれば何も苦労なく、倒壊ないすまいができる。
ただそこに、すまいてさまの生活、予算、期間、見た目の変化など、実際の事項を加えて検討する。
強いからこれです!!
ではなく、すまいてさまの気持ちも、希望も大切にして、繰り返しシミュレーション検討。
そこで、ここで折り合いをつけて…。
という形で補強案を提出し、ご納得していただいて、施工をさせていただきました。

元々の見積り金額よりも遥かに増えてしまった補強工事+白壁改修工事は、すまいてさまにとっては想像を越えたもの。
ご提示させていただく側としても、ご納得していただけるのか、お金をかけて実行させていただくためそれ相当の理由がないといけないこと。
お金稼ぎのために見積もり金を増しているものではない。
だからこそ、見積もりをご説明することが、仕事をさせて頂くことが、苦しく、怖い。
目にするものの恐怖、現実はもっと厳しいものなんです。

このいまだに傷が癒えていない、災害が起きてしまっている現実。
1日でも早い復興と、安心できる時間を取り戻せるように願っております。
そんな状況は、日本では必ず起こると言ってもいいほど確率は高く、注意が必要であると感じております。
その状況と、現場とを重ねて考えると、いてもたってもいられない状況に…。
今の苦しみ、自分の不安などちっぽけで、ただただ現実から目を背けるための理由を並べているだけ。
実際災害が起こってからでは、人の命は救うことはできない。
まずは目の前の大切なすまいてさまを守るための行動から…。
と、今回の提案になりました。

作業は、ひとつひとつ大切な補強。
シミュレーションでは、単なる線と点。プルダウンで選択した面材や、金物。
実際納める際、そこで元々の木材と、新たな補強材をどう折り合いをつけて納めるか、補強の力をどう伝えるか、逃がすか、金物は適しているか、木材に局所的に力が加わりすぎて痛めないか?納めたところは、しっかりと力を受けたとき耐えられるか。動いたときこの部材はどう動いてどのように作用するか…。
等々、計算で出たものから現場では補強が最大限発揮できるように、常に模索しながら納めてきました。

そんな補強作業は普段行かない天井裏で行っていると、目につく場所が…。
腐朽が進み異常な場所が…。
雨漏りです。
お施主様にお伝えし、手直しを提案させていただきました。
その中で…。
「古くなったら雨漏りは、するもんだよね。それとうまく付き合わないとね…。」
とのお言葉。すまいを創るものとして、辛く、強く責任を感じました。できる限り、力を尽くしてその妥協や、諦めの気持ちに報いたい。そんなことはない。すまいは安心できる、不安を解消できるんだと伝えておきたいと、悪戦苦闘しながらも、できる限りの施工を積み重ねました。
当初の見積りでは含まれていないことも、発見し次第お伝えする。
その作業は、必要なことで、サービスでできるようなものではないことも多々あります。それもお伝えし、判断していただきました。
直しとは、その場ではっきりした答えや、金額が出せません。
今回の雨漏りに関しても、自分が入る前、何度も手直しした形跡がありました。それでも解決できていなく…。それを力業で納めて、一時的に水を止める施工がされていました。
全て解体し、納め直せば難しくないものも、手を加えられる範囲で行う難しさ、解決できるか分からないなかで、お伝えし、納めてきました。
直しや、修繕には、今回のように施工前だと確認しきれない箇所も多く含まれていて、不明確なブラックボックスになってしまいます。
いくらお金をかけても、直してください。と直接言われたわけでもないけれど、いただいた諦めとも感じられるお言葉から、ここで絶対に直す、これからの不安を少しでも解消するとの気持ちで現場、雨漏り箇所と向き合いました。
大きく雨漏り箇所は3ヶ所。どれも全く同じではなく、答えや、参考になるものもない状況で、試行錯誤しながら、納めきりました。
雨の時に観察し、雨漏りがないことが確認でき無事完了です。

また腐朽箇所は確定していて、修繕してほしいと言われていた場所も、納めているときに、見えなかった腐朽が見つかったり、解体してから判明する事実も多くあります。
それらについてはできる限りの予想はするものの、範囲を超えてしまっているものについては、その都度相談させて頂いておりました。
そんな細かな積み重ねが、工事を進めていると大きくなっていきます。
都度都度、状況はお伝えしますが、正確に金額までは、なかなか伝えきれていなく、いつも心苦しく思っています。
自分にできることとしては、状況の説明と、進捗のみ、予想しながら進め方も説明させていただいております。

そんな積み重ねを進めて、大体の工事が終わり、中間報告や、残工事の報告、これからの段取りなどをお伝えする際、当初予算+工事中に判明した修繕必要箇所の施工費、これからの提案修繕工事の費用をお伝えする。
だいぶオーバーしてしまい、とてつもなく苦しく、何も後ろめたさはないけれど、罪悪感に似た気持ちに陥ってしまいます。
それでも、自分がこれまで積み重ねてきた、向き合ってきた現場や、内容については何も不純物は含まれておりません。
すまいてさまの命を守るため、不安や、不便さを解消するために、すまいてさまを想っての施工をしてきました。
そんな気持ちを察していただいたのか…、
「大竹を信頼して施工してもらった金額、それがこれならば、それはそうなんだよ。受け入れるし、なにも言うことはないよ。…。それで今後の予定は…」
※中学時代の恩師で、部活の監督をしていただいた方なんです。
とてつもなくありがたく、感謝してもしきれません。
あぁ…。よかった。
まとめているときは、自分が詐欺師なんじゃないか、こんなことをしていて騙しているんじゃないか…。なんてへこんだ時間もありました。
それでも、ただただすまいてさまのことを想い施工してきた。それは間違いではなかったんだと…。
その言葉と、空気感でこれまでの行動を肯定してくれたと感じられた瞬間でした。

ラストスパートはまだありますが、ご依頼いただけたこと、受け入れてくださったこと、全てに感謝です。
また、様々経験させていただいたもの、方向が間違いではなかった
ありがたいお言葉をいただけて改めて『魂』を入れていただきました。
